前のエントリの続きです。

環境把握②:アドの取れないカードは環境の6割に効く、あるいはデッキのテーマに関わらない限り、入れるべきではない。

この前提はエクテンに限らずマジックというゲームの真理だと思うのですが、今期のエクテンにおいては顕著です。スタンダードを席巻する「Caw-Blade」系はエクテンでも一大勢力を成していて、バント、青白鍛冶、白単エメリア、ナヤなどの白いデッキには必ず入ってくるといっても過言ではありません。そして、これらのデッキを組む際に注意しなければならないことが、「アドの取れないカードはなるべく入れない」ということなのです。確かにアドが取れないけど強いカードはあります。しかし、エクテンのカードプールが広く、強く、デッキも有象無象うごめいている以上は、「環境の6割に効く」モノでない限りは、入れるべきではないと思います。

では、レシピを。

{バント}
4《貴族の教主/Noble Hierarch(CON)》
3《極楽鳥/Birds of Paradise(M10)》
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》
2《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage(ARB)》
3《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》
3《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》

3《マナ漏出/Mana Leak(M11)》
2《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》
2《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(LRW)》
3《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
4《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》
1《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》
3《時間のねじれ/Time Warp(M10)》

3《天界の列柱/Celestial Colonnade(WWK)》
2《海辺の城塞/Seaside Citadel(ALA)》
2《森/Forest(M11)》
2《島/Island(M11)》
1《つぶやき林/Murmuring Bosk(MOR)》
4《霧深い雨林/Misty Rainforest(ZEN)》
4《溢れかえる果樹園/Flooded Grove(EVE)》
4《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket(SOM)》
1《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》

{サイド}
3《ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender(LRW)》
1《迫撃鞘/Mortarpod(MBS)》
1《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence(ROE)》
1《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》
3《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》
3《流刑への道/Path to Exile(CON)》
3《統一された意思/Unified Will(ROE)》

★一時期はメタの関係上優位に立ったデッキなのですが、現在では選択することに疑問を感じるデッキです。構成としては、マナクリによる加速からのPW着地、そしてタイムワープによるアド稼ぎという明確な勝ちパターンがあるのですが、そのどれもが脆く、一つでも失敗すると一気に負けてしまいます。特に、《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》と《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage(WWK)》には非常に弱く、メインで除去出来ないため、そのまま押し切られることがあります。メインでこれらに対応すべく《流刑への道/Path to Exile(CON)》を入れると、今度はアドの枚数差でそれ以外のカードに押しつぶされるという脆さを持っています。カード構成でこの脆さを補うには、相当細かいメタの把握が必要だと思われます。

<青白鍛冶>
4《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》
3《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》
3《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique(MOR)》
4《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》

3《流刑への道/Path to Exile(CON)》
3《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》
2《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》
4《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》
2《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》
2《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》
2《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》

4《天界の列柱/Celestial Colonnade(WWK)》
2《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
2《変わり谷/Mutavault(MOR)》
4《秘教の門/Mystic Gate(SHM)》
4《島/Island(ZEN)》
4《平地/Plains(M11)》
1《乾燥台地/Arid Mesa(ZEN)》
1《沸騰する小湖/Scalding Tarn(ZEN)》
4《金属海の沿岸/Seachrome Coast(SOM)》

{サイド}
2《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
2《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》
3《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》
2《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren(M11)》
3《神聖の力線/Leyline of Sanctity(M11)》
2《誘惑蒔き/Sower of Temptation(LRW)》
1《流刑への道/Path to Exile(CON)》

★今更語ることも少ないデッキですが、一応解説を。《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》と《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》は同キャラ、バントに強いカード。サイドはフェアリーとヴァラクートを意識した構成になっています。メインで《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》と《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》を両方取ったのは、リスクヘッジ。メインのカウンター枠は「Caw-go」らしく《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》に。生物デッキに対しては、サイドから《瞬間凍結/Flashfreeze(M11)》や除去と入れ替わります。アドの取れないカードは十字軍、貫き、流刑の9枚のみ。三人衆は実質的にアドは取れるのですが、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》と《苦花/Bitterblossom(MOR)》が舞う昨今では信用度が低いため、少なくなりました。あからさまな対策デッキが増えてきている中でも、なんとか戦えるレベルの良いデッキだと思います。ただ、このデッキを使うならばフェアリーを使った方が強い気もします。

<白単エメリア>
{メイン}
4《ちらつき鬼火/Flickerwisp(EVE)》
4《前兆の壁/Wall of Omens(ROE)》
4《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye(WWK)》
3《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》
4《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》
2《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks(SHM)》

3《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》
4《忘却の輪/Oblivion Ring(LRW)》
2《迫撃鞘/Mortarpod(MBS)》
1《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》
1《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》
3《流刑への道/Path to Exile(CON)》
2《威圧の王笏/Scepter of Dominance(ON)》

4《空の遺跡、エメリア/Emeria, the Sky Ruin(ZEN)》
4《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》
11《平地/Plains(M11)》
4《湿地の干潟/Marsh Flats(ZEN)》

{サイド}
4《神聖の力線/Leyline of Sanctity(M11)》
4《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》
4《記憶殺し/Memoricide(SOM)》
1《沼/Swamp(M11)》
1《流刑への道/Path to Exile(CON)》
1《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》

★アドの取れないカードが《流刑への道/Path to Exile(CON)》と《威圧の王笏/Scepter of Dominance(CON)》だけという素敵なデッキ。特に《威圧の王笏/Scepter of Dominance(CON)》は今週になってメインに入ってきたカードで、鍛冶デッキにめっぽう強い上に、土地も縛れるアホカードです。サイドはヴァラクートを目の敵にして組んでみました。ミラディンの十字軍は、黒と緑を見たら入れてもいいかな、というお試しカードです。

ナヤについては良いレシピが見当たらず、作れなかったために省略します。
ただ、ナヤのやろうとしていることは、ほとんどがこちらhttp://mtg-jp.com/reading/formats/001277/の4色ビートがやっている気がします。ここに、《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage(WWK)》と《復讐蔦/Vengevine(ROE)》が入れば完璧じゃないかな、と。そもそもマナクリを使う時点で、アドを大きく失う可能性が高いため、私としてはバントとならんで使いたくないデッキです。

環境把握③:ビートダウンは辛い
前述のhttp://mtg-jp.com/reading/formats/001277/で紹介されている赤単、ドラン、ボロス、さらに親和とエルフについては、苦戦を強いられているのが現状です。練りきれてない石鍛冶デッキが蔓延していたころは手札破壊を絡めたドランが立てつづけに勝っていたのですが、最近では多くのデッキが除去をしっかり取り始めたために、勝ちづらくなりました。その中でエルフだけは奮闘していますが、ロードを潰して流す、という徹底した対策によって勝ち切れていません。

環境把握④:コントロールの復権?
先週一番驚いたデッキが、三田村プロと某ミスターLMC(三代目)が使っていたグリクシスコントロールでした。フェアリーと石鍛冶系デッキが赤い除去に弱いこと、ヴァラクートがカウンターに弱いことを的確についた良いデッキでした。しかし、ほぼ唯一辛いであろう青白コンに切られ、勝ちきることはできませんでした。
白単もそうですが、コントロール復権の陰には、「やっぱりアドとった奴が強いんや」というマジックの真理が見えます。

後半、息切れしましたが、私が把握しているエクテンの情報はこんなところです。
GP神戸での皆様の検討をお祈りいたします。

コメント

さちこさん
2011年4月5日0:14

いきなりですが始めまして!

エクテンについての考察記事とても役に立ちました。
私も今のエクテンはアド環境だと思ってます。

また勝手ながらリンクさせていただきました。

もしも大会等で出会うことがあったらよろしくお願いします。

cramcram
2011年4月6日21:53

追記です:グリクシスコントロールについてですが、負けたのは青白コンではなく、ボロスとヴァラクートだそうです。謹んで訂正いたします。

あなたさまさん(なんか違和感w)>
コメントありがとうございます。適当な記事ですいません。
どこかでお会いしたら、よろしくお願いいたします。

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