Caw-Go!はフェアリーの後継となるか?
2011年2月14日 TCG全般 コメント (2)こんばんは。cramcramです。
本業が急に忙しくなって、MTGを暫定的に休止しています。
とはいえ、どこかでドラフトやれればいいなあ、と思ってはいるんですけど。
さて、PTパリも終わり、新たなスタンの覇者として、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》入りのCaw-GO!が名乗りをあげました。
今回、参考とするレシピはこちら。
http://coverage.mtg-jp.com/ptparis11/decklist/001211/
優勝者をはじめとする海外勢と、日本勢との違いは、メインの除去(海外勢は《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》、日本勢は《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》と《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》)及び、ファッティの選択などに現れています。特に、石村さんのレシピは《闘争の学び手/Student of Warfare(ROE)》《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》を優先していて、他の青白とは一線を画していますね。
しかしながら、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》からの《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を除去とカウンターでバックアップするというスタイルに変わりはないと言えるでしょう。
どうしてこのデッキが勝ったのか、「フェアリーとの比較」という切り口で書いてみようと思います。
きっかけは、ツイッター上でのとある「神」と《皮裂き/Skinrender(SOM)》さんのやりとりでした。
(興味のある方は検索してみてください)
曰く、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》は《苦花/Bitterblossom(MOR)》に当たり、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》からの《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》は、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique(LRW)》に匹敵する、のだそうです。
フェアリーというデッキをしっかり理解していない私には、とても興味深い会話に思えました。
フェアリーは言うまでもなく有名なデッキで、近年でもエクステンデッド最強のデッキとして猛威をふるっています。最近でもPTQ名古屋@東京一次を抜けていますね。そのレシピがなかったので、翌週、町田のデッキを引用してみましょう。
http://d.hatena.ne.jp/Strike/
約一月前のレシピで、MBSから《喉首狙い/Go for the Throat(MBS)》、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を採用した、オーソドックスな形です。
フェアリーの強さは序盤の《苦花/Bitterblossom(MOR)》《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(LRW)》、中盤から終盤にかけての《霧縛りの徒党/Mistbind Clique(LRW)》、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》に支えられています。
相手を妨害しながらカード的に無料の1/1飛行を場に供給し続けて、後半は相手に数枚のカードでロックをかけて殴りきるのが勝ちパターンです。
自分より早いデッキにはチャンプブロックで対抗し、遅いデッキに対しても《苦花/Bitterblossom(MOR)》をカウンターで通して対抗。中速デッキに対しては、的確に一枚ずつスペルを打ち消せば、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》の分だけアドバンテージが広がる。
ライフをコントロールしつつアドバンテージを稼げば、自然と勝ちに近づくデッキであり、反面、複数のリソース管理が必要なため、玄人好みのデッキと言えるでしょう。
では、Caw-GO!はどうでしょうか。
確かにマナこそかかるものの、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》の爆発的なアドバンテージは強力で、《苦花/Bitterblossom(MOR)》に勝るとも劣らない力を持っています。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》は、通れば確実に1枚のアドバンテージ。しかも、最強の装備品を連れてきます。この動きとマナ域は、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(LRW)》とオーバーラップします。
《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》は、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》などのプレインズウォーカーと併用することで、「アドバンテージを稼ぎつつ、相手の動きを阻害しながら、カウンターを構える」動きを可能としています。少々回りくどいものの、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》が果たしていた役割を担っているものと言えるでしょう。
あとは、《マナ漏出/Mana Leak(M11)》をはじめとするカウンターは同じ。1マナ妨害呪文としての《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》は、《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》の代わり。
除去は白でも黒でもほぼ同じ質が用意できるのですが、インスタントタイミングで撃てない分、単体除去で白が不利です。
さらに、ミシュラランドの質と枚数はフェアリーが上ですが、現環境でも《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》があるため、現状《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》が採用されているスロットに、これが採用されることもありえるかもしれません(まあ、ないと思いますが)。
ここまで見てくると、日本勢の除去選択は、そのままフェアリーの除去選択と似通っているように見えます。しかし、インスタントではないため、対応力でフェアリーの持つ黒除去に劣るのは事実。そこで、海外勢は全体除去でアドバンテージを取ることで、デッキパワーの底上げを図ったのでしょう。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》プレイ→《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を持った《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》がアタック→《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》という流れは、ビートダウンにとって悪夢です。
そして、このデッキはフェアリーと同じように、対処しづらいデッキといえます。
単純に一枚のカードを壊せば動きが止まるわけではなく、単体で強いカードがそれなりの枚数はいっている上に、シナジーを形成しているからです。
ここまでみてきたところを整理すると、現在のCaw-GO!はフェアリーの後継と言って差し支えないと思われます。
では、メタゲーム上での位置づけはどうでしょうか。
ヴァラクートが《絡み線の壁/Wall of Tanglecord(SOM)》と《帰化/Naturalize(M11)》で剣と鷹に対処しても、Caw-GO!側は《失脚/Oust(ROE)》や《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》で乗り越えたり、割れた剣を回収することができます。
ゴブナイトはある程度有利ですが、サイドに《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》があるため、サイド後に《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker(MBS)》を取っておかないと、厳しい勝負になるでしょう。
同型は回った方が勝つのは当然ですが、フィニッシャーの枚数が勝負になるかと思われます。
そして、青黒赤テゼレットとは、マティニョンとネルソンの対決を見ればわかるように、以前の青黒とのマッチアップに似ています。
http://coverage.mtg-jp.com/ptparis11/article/001226/
つまり、数種類のカウンターによる攻防と、フィニッシャーの通し合いです。以前はフィニッシャーがそれぞれ《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》でしたが、現在では《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》と《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》に入れ替わっています。MBSによって、コントロールデッキ同士のマッチアップは高速化し、より緊張感を増したと言えるでしょう。
以前のCaw-GO!はフィニッシャーとして、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》の連打を用意していました。しかし、現在は《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》だけでよくなったのです。つまり、勝負を決めるターンが、1~2ターン早まり、第4ターンから第6ターン前後になったのです。このターン数は、フェアリーやジャンドのブン回りにも似ています。
Tier1それぞれのデッキに対してある程度の対抗策を用意でき、ブン回りもある。
Caw-GO!の立ち位置は、確かに以前のフェアリーのように「王者」たる要件を満たしているように見えます。
ゴブナイト、テゼレット、Caw-GO!という新たなアーキタイプが登場し、ヴァラクート一強だったスタンの世界が、いよいよ面白くなってきました。
個人的には《復讐蔦/Vengevine(ROE)》が大好きなので、バントカラーのCawデッキを組もうかと思っていますが、剣でアンタップしたマナの使い道が少なくて、いまいち弱そうなんですよね。
どうしようかなー、と思案に暮れつつ、筆を置きます。
ではまた!
本業が急に忙しくなって、MTGを暫定的に休止しています。
とはいえ、どこかでドラフトやれればいいなあ、と思ってはいるんですけど。
さて、PTパリも終わり、新たなスタンの覇者として、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》と《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》入りのCaw-GO!が名乗りをあげました。
今回、参考とするレシピはこちら。
http://coverage.mtg-jp.com/ptparis11/decklist/001211/
優勝者をはじめとする海外勢と、日本勢との違いは、メインの除去(海外勢は《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》、日本勢は《未達への旅/Journey to Nowhere(ZEN)》と《転倒の磁石/Tumble Magnet(SOM)》)及び、ファッティの選択などに現れています。特に、石村さんのレシピは《闘争の学び手/Student of Warfare(ROE)》《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader(MBS)》を優先していて、他の青白とは一線を画していますね。
しかしながら、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》からの《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を除去とカウンターでバックアップするというスタイルに変わりはないと言えるでしょう。
どうしてこのデッキが勝ったのか、「フェアリーとの比較」という切り口で書いてみようと思います。
きっかけは、ツイッター上でのとある「神」と《皮裂き/Skinrender(SOM)》さんのやりとりでした。
(興味のある方は検索してみてください)
曰く、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》は《苦花/Bitterblossom(MOR)》に当たり、《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》からの《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》は、《霧縛りの徒党/Mistbind Clique(LRW)》に匹敵する、のだそうです。
フェアリーというデッキをしっかり理解していない私には、とても興味深い会話に思えました。
フェアリーは言うまでもなく有名なデッキで、近年でもエクステンデッド最強のデッキとして猛威をふるっています。最近でもPTQ名古屋@東京一次を抜けていますね。そのレシピがなかったので、翌週、町田のデッキを引用してみましょう。
http://d.hatena.ne.jp/Strike/
約一月前のレシピで、MBSから《喉首狙い/Go for the Throat(MBS)》、《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を採用した、オーソドックスな形です。
フェアリーの強さは序盤の《苦花/Bitterblossom(MOR)》《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(LRW)》、中盤から終盤にかけての《霧縛りの徒党/Mistbind Clique(LRW)》、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》に支えられています。
相手を妨害しながらカード的に無料の1/1飛行を場に供給し続けて、後半は相手に数枚のカードでロックをかけて殴りきるのが勝ちパターンです。
自分より早いデッキにはチャンプブロックで対抗し、遅いデッキに対しても《苦花/Bitterblossom(MOR)》をカウンターで通して対抗。中速デッキに対しては、的確に一枚ずつスペルを打ち消せば、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》の分だけアドバンテージが広がる。
ライフをコントロールしつつアドバンテージを稼げば、自然と勝ちに近づくデッキであり、反面、複数のリソース管理が必要なため、玄人好みのデッキと言えるでしょう。
では、Caw-GO!はどうでしょうか。
確かにマナこそかかるものの、《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》の爆発的なアドバンテージは強力で、《苦花/Bitterblossom(MOR)》に勝るとも劣らない力を持っています。
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic(WWK)》は、通れば確実に1枚のアドバンテージ。しかも、最強の装備品を連れてきます。この動きとマナ域は、《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(LRW)》とオーバーラップします。
《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》は、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》などのプレインズウォーカーと併用することで、「アドバンテージを稼ぎつつ、相手の動きを阻害しながら、カウンターを構える」動きを可能としています。少々回りくどいものの、《謎めいた命令/Cryptic Command(LRW)》が果たしていた役割を担っているものと言えるでしょう。
あとは、《マナ漏出/Mana Leak(M11)》をはじめとするカウンターは同じ。1マナ妨害呪文としての《呪文貫き/Spell Pierce(ZEN)》は、《思考囲い/Thoughtseize(LRW)》の代わり。
除去は白でも黒でもほぼ同じ質が用意できるのですが、インスタントタイミングで撃てない分、単体除去で白が不利です。
さらに、ミシュラランドの質と枚数はフェアリーが上ですが、現環境でも《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》があるため、現状《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》が採用されているスロットに、これが採用されることもありえるかもしれません(まあ、ないと思いますが)。
ここまで見てくると、日本勢の除去選択は、そのままフェアリーの除去選択と似通っているように見えます。しかし、インスタントではないため、対応力でフェアリーの持つ黒除去に劣るのは事実。そこで、海外勢は全体除去でアドバンテージを取ることで、デッキパワーの底上げを図ったのでしょう。
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》プレイ→《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》を持った《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》がアタック→《審判の日/Day of Judgment(ZEN)》という流れは、ビートダウンにとって悪夢です。
そして、このデッキはフェアリーと同じように、対処しづらいデッキといえます。
単純に一枚のカードを壊せば動きが止まるわけではなく、単体で強いカードがそれなりの枚数はいっている上に、シナジーを形成しているからです。
ここまでみてきたところを整理すると、現在のCaw-GO!はフェアリーの後継と言って差し支えないと思われます。
では、メタゲーム上での位置づけはどうでしょうか。
ヴァラクートが《絡み線の壁/Wall of Tanglecord(SOM)》と《帰化/Naturalize(M11)》で剣と鷹に対処しても、Caw-GO!側は《失脚/Oust(ROE)》や《太陽のタイタン/Sun Titan(M11)》で乗り越えたり、割れた剣を回収することができます。
ゴブナイトはある程度有利ですが、サイドに《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》があるため、サイド後に《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker(MBS)》を取っておかないと、厳しい勝負になるでしょう。
同型は回った方が勝つのは当然ですが、フィニッシャーの枚数が勝負になるかと思われます。
そして、青黒赤テゼレットとは、マティニョンとネルソンの対決を見ればわかるように、以前の青黒とのマッチアップに似ています。
http://coverage.mtg-jp.com/ptparis11/article/001226/
つまり、数種類のカウンターによる攻防と、フィニッシャーの通し合いです。以前はフィニッシャーがそれぞれ《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》でしたが、現在では《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》と《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》に入れ替わっています。MBSによって、コントロールデッキ同士のマッチアップは高速化し、より緊張感を増したと言えるでしょう。
以前のCaw-GO!はフィニッシャーとして、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura(ROE)》の連打を用意していました。しかし、現在は《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine(MBS)》だけでよくなったのです。つまり、勝負を決めるターンが、1~2ターン早まり、第4ターンから第6ターン前後になったのです。このターン数は、フェアリーやジャンドのブン回りにも似ています。
Tier1それぞれのデッキに対してある程度の対抗策を用意でき、ブン回りもある。
Caw-GO!の立ち位置は、確かに以前のフェアリーのように「王者」たる要件を満たしているように見えます。
ゴブナイト、テゼレット、Caw-GO!という新たなアーキタイプが登場し、ヴァラクート一強だったスタンの世界が、いよいよ面白くなってきました。
個人的には《復讐蔦/Vengevine(ROE)》が大好きなので、バントカラーのCawデッキを組もうかと思っていますが、剣でアンタップしたマナの使い道が少なくて、いまいち弱そうなんですよね。
どうしようかなー、と思案に暮れつつ、筆を置きます。
ではまた!
コメント
トリッキーながらも勝ち筋の太いスルメデッキが登場したのは素敵なことだと思います。
次週以降のスタンダードはこのデッキを視野に入れつつデッキ構築をしていかなければなりませんね。
コメントありがとうございます。エクテンでもいけそうなアプローチですね。
最近は、黒タッチを模索してます。